
飲食店経営において、売上や利益を継続的に伸ばすには効果的なマーケティングとブランド戦略が欠かせません。本章では、集客・リピート・ブランド構築の基本を整理します。
飲食店におけるマーケティングの基本
- 集客(新規顧客の獲得):SNSや口コミ、広告を通じて来店動機を作る
- リピート(顧客維持):顧客満足度を高め、再来店を促す
- アップセル/クロスセル:客単価を上げる仕組みづくり
中小企業庁のデータによると、既存顧客を維持するコストは新規顧客を獲得するコストの約1/5に抑えられるとされており、リピート施策の重要性が示されています(参考:中小企業庁)。
集客に有効な手法
- SNS活用(Instagram・TikTok・X):料理写真・動画・ストーリーで拡散
- Googleビジネスプロフィール:検索やマップでの露出強化(参考:Google公式ヘルプ)
- 口コミ戦略:食べログやホットペッパーグルメでのレビュー対応
- イベント・コラボ:地域イベントや企業とのタイアップで話題化
リピート率を高める施策
- 会員制度・ポイントカード:来店動機を増やす
- LINE公式アカウント:限定クーポンやキャンペーン配信
- 顧客体験の向上:料理・接客・雰囲気を一貫して高める。さらに、飲食業界で重視されるQSC(Quality=品質・Service=サービス・Cleanliness=清潔さ)を意識することで、顧客満足度を継続的に向上させる。
リクルートの調査では、顧客の再来店理由の多くが「味」「接客」「居心地の良さ」に起因していることが明らかになっています(参考:リクルート調査データ)。
ブランド戦略の基本
- コンセプトの明確化:「誰に・何を提供する店なのか」を一言で言えるか
- ストーリーテリング:食材へのこだわりや地域とのつながりを発信
- ビジュアル統一:ロゴ・メニュー表・店内デザインを一貫性あるものに
- 口コミと体験の両輪:広告よりも「実際の顧客体験」がブランドを育てる
ブランド構築は短期的な施策ではなく、顧客との接点を積み重ねて信頼を形成するプロセスです。
デジタルマーケティングの活用
- データ分析:POS・予約システム・アンケートで顧客傾向を把握
- ターゲティング広告:エリア・属性に合わせて効率的に広告配信
- レビュー管理:口コミサイトやSNSでの顧客の声を定期的に確認・改善
飲食業のデジタル化は経済産業省も推進しており、IT活用は生産性向上や販路拡大に直結すると報告されています(参考:経済産業省)。
まとめ
飲食店におけるマーケティングとブランド戦略は、単なる集客施策にとどまらず、顧客体験の向上と信頼の積み重ねが鍵となります。
「新規集客 → リピート率向上 → ブランド構築」の流れを戦略的に整えることで、価格競争に巻き込まれず、長期的に安定した経営基盤を築くことができます。
👉 次回はシリーズを総括し、飲食店経営力アップシリーズ – 村上フードサービスコンサルティングで全体を案内します。